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8月の米製造業活動は6カ月連続で縮小した。生産が落ち込み、関税引き上げの影響で製造業が低迷から抜け出せていない状況が示された。
キーポイント ISM製造業総合景況指数は48.7 ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は49 前月の48からは小幅上昇 同指数は50が拡大と縮小の境目
生産の指数は3.6ポイント下げて47.8と、3カ月ぶりに縮小圏に沈んだ。雇用の指数はわずかに上昇したものの、新型コロナ禍以来の低水準付近にとどまった。今回の聞き取り調査に回答した企業関係者のコメントも目立って悲観的な内容が多かった。
ISM製造業調査委員会のスーザン・スペンス委員長は記者団との電話会見で「全体的に需要は引き続き弱い。関税の不透明感がなお、その要因だ」と指摘。国内総生産(GDP)に占める製造業部門の69%が縮小領域にある。この比率は7月からはわずかに低下し、深刻な縮小局面にある産業は4%とこちらも低下したが、これほど多くが縮小している状況は好ましくない」と述べた。
一方、見通しに関してはいくらか明るい兆候も示された。新規受注は4.3ポイント上げて51.4と昨年1月以来の大幅上昇となり、今年1月以来となる拡大圏に浮上した。
原材料の仕入れ価格を示す指数は63.7に低下。依然として高水準ながらも、2月以来の低さとなった。7月の4.9ポイント低下に続く動きで、関税に起因する価格変動が落ち着きつつあることを示唆している。
逆風と追い風
強弱入り交じる今回の統計は、米製造業企業がさまざまな逆風と追い風に直面している状況を浮き彫りにする。輸入関税引き上げの影響で依然としてコスト上昇に見舞われる一方、企業の堅調な設備投資や家計需要の底堅さは引き続き恩恵となっている。
業種別では紙製品、木材、プラスチック・ゴム製品、輸送機器のメーカーを中心に10業種が縮小。7業種は拡大した。
受注残は縮小圏で一段と落ち込み、低調な雇用の数字を裏付ける格好となった。
製造業者はトランプ米政権の一貫性に欠く通商政策に関連したサプライチェーンの混乱に対応している。ISMの入荷遅延の指数は納期の長期化を示したほか、輸入指数は縮小ペースの加速を示唆した。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題: US Manufacturing Activity Contracted in August for a Sixth Month(抜粋)