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米食品大手 クラフト・ハインツは、2つの独立企業に分割する計画を発表した。同社を世界有数の加工食品メーカーに押し上げた10年前の巨大合併が解消されることになる。
会社分割後、1社は「ハインツ・ケチャップ」などの代表的な調味料やインスタント食品を手掛ける。現在この部門の売上高は154億ドル(約2兆2800億円)に上る。もう1社は、「オスカー・マイヤー」のホットドッグや「ランチャブル」など、より成長の遅い食品を製造する。同部門の現在の売上高は104億ドル。
今回の分割は、成長の鈍い事業を切り離すことで、好調な製品にさらなる成長の余地を与えるほか、経営陣がそれぞれの事業の拡大に一段と集中できるようにすることが狙い。発表によれば、分割は非課税のスピンオフ方式で実施され、社名は後日決定される。
クラフト・ハインツの現会長ミグエル・パトリシオ氏は「現在の複雑な組織構造では、資本配分や施策の優先順位付け、また成長余地のある分野で規模を拡大させることは困難だ」とし、「2社への分割により、各ブランドの潜在力を引き出すために注力し、適切な資源を配分することが可能になる」と説明した。
クラフト・ハインツは2015年、旧クラフトフーズと旧ハインツが合併して誕生。460億ドル規模のこの合併は、投資会社3Gキャピタルと、ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイが主導した案件だった。だがその後、より健康的で加工度の低い食品に対する需要の高まりやインフレ高進に伴う支出抑制など、消費者の行動は変化してきた。
バフェット氏は今回の会社分割計画に失望を表明。ただ、10年前に自身が主導した合併が優れたアイデアではなかったとも認めた。
その上でバフェット氏は、クラフト・ハインツを2社に分割しても問題は解決しないとの考えを示した。米経済専門局CNBCのベッキー・クイック記者が2日報じた。
バークシャー・ハサウェイの広報担当は、この報道の正確性について確認した。
CNBCによればまた、バークシャーの次期最高経営責任者(CEO)に指名されているグレッグ・アベル氏もクラフト・ハインツに失望の意を示したと、バフェット氏は語った。
原題: Kraft Heinz to Separate Into Two Publicly Traded Companies (2)(抜粋)
Warren Buffett Says He’s Disappointed by Breakup of Kraft Heinz